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春の風は少し乱暴で肌に柔い今日は風がとてつもないですが、みなさま大丈夫でしたか?折角ほどかれた桜の花びらもだいぶん散ってしまったのではとはらはらしています。こぶしは大丈夫かなあ。オオイヌノフグリは無事かな?


気がつけば3月もおわり、明日からは新たな生活が始まるという方が多いかと思います。期待もあるけど不安が大きい、なんて方、大丈夫です、割りとどうにかなってしまうものです。笑
でも例えば、入って見れば休みがなくて残業だらけ、とても大変な仕事ばかり回ってきて上司からは理不尽な事で怒鳴られる会社だった…なんて時は、必ず身近などなたかにご相談下さいね。ひとりで抱えてばかりではとてもとても辛いし、かといってすぐに辞めてしまうのも勿体無いんじゃないかなって思うんです。まずは相談して第三者の意見を聞いてみましょう。最近はセカンドオピニオンが医療の現場でも当たり前ですし、ストレス社会のいまこそ、あなたの隣にいる方を頼ってみてください。なんて、知ったかぶりで申し訳御座いません。

3月はわたしにとってとても幸せな月で御座いました。一流の演奏家の方に囲まれて、一流の指揮者の元で交響曲が弾ける喜びは、また格別といいますか、至福の一言です。一秒ごとが勉強になりますし、本番の時の迫力といったらもう、それはそれはリハーサルなんかとは段違いなんです。気圧されてしまうくらい空気が変わりますが、その落差がとても心地良く、わたしも頑張らなくてはと奮い立たされるのです。

そういった体験から今月、わたしは指揮者の方の重要性というものをひしひしと感じました。わたしは指揮のことは詳しくわからないけれど、演奏者以上にカリスマ性、魅力、実力、知性などなど、そのひとの人間性が求められるものなのではないでしょうか。オーケストラという大所帯で、沢山のメンバーの中にぽつんとひとりだけ立っている、それが指揮者です。そこに誰が立つか、本当にそれだけでその場の空気が変わるんです。あの人が立ったらこういう空気、この人が立つとああいう空気、といった感じに。ホールの空気がふっとそのひとの空気になる、そんなふうに感じます。
ゲネプロがおわってメンバーがはけた、しんとしたホールを覗くのが好きです。客席にもステージにも誰もおらず、生成り色のフローリングに椅子と譜面台が整然と並び、前方にハープ、奥にコントラバス、それらを照らすスポットライト、そしてその中にひとつだけ、真っ赤な真っ赤な深紅の指揮台が、やっぱりぽつんと、いとも美しく鎮座しているその光景はいつ見ても、何度見ても見飽きることはありません。

歴史あるホールで弾けば、ホールそのものの力を感じます。何年も何年も、何十回何百回と数多のコンサートを見守ってきたホールが、大丈夫だよ、聴いているよと言ってくれているように感じるのです。ホールという建物の生きてきた歴史や空気が、いまここで弾こうとしているわたしたちを守ってくれているように、包んでくれているように思わずにはいられないんです。


4月はアットホームなコンサートがいくつか、5月はホームコンサートとウイーンホールでのコンサートが控えています。ホームコンサートは兼ねてからの場所で、ウイーンホールは久々に、ということでこれからの月も楽しみです。ウイーンホールのチケットは絶賛販売中なので、どうぞご連絡頂ければと思います。
とりあえずコンツェルトもやりつつ、新たなソナタのレパートリーを増やそうと思っています。レスピーギとエルガーとシュニトケと…やりたいのは尽きません。新たなひととのアンサンブルもやってみたい!

では、また記事を書くまでみなさまお元気でお過ごしください。

写真は以前描いたイラスト。
2012/04/01(日) 00:46 UNARRANGEMENT PERMALINK
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